どうにもならない時に

2025/04/11

column

何かに悩んでいるとき、それが「どうにもならないこと」であるほど、心は深く沈んでしまいます。
未来のこと、過去のこと、人の気持ち、自分の体のこと──
どれも本当に大切で、だからこそ、「なんとかしたい」と思えば思うほど、どうにもできない現実に押しつぶされそうになります。

「死」というものが目の前にあるとき。
あるいは、大切な人の命が失われたとき。
あるいは、人間関係がどうにもならないように思えるときも。

自分のことしか考えられなくなったり、逆に自分以外のことばかり気になったり、
何も手につかなくなったり、やり残したことを急に思い出して焦ったり──
そんなふうに、心が大きく揺れるのは、とても自然なことです。

だから、まず言いたいのは、「そんな自分でも、いいんですよ」ということ。
どんなふうに感じても、どんなふうに悩んでも、それはすべて今のあなたにとって正直な反応です。
「怖くてもいい」「情けなくてもいい」「何も考えられなくてもいい」──そう思えるところから、始めてみてください。

ただ、それでも、「今、できることがあるかもしれない」と思えたら、
小さなことでいいので、何かやってみてほしいのです。

それは「大きな目標」や「立派なこと」でなくてもいいのです。
誰かに思いを伝える。部屋をかたづけてみる。花を活けてみる。ありがとうと言ってみる。
それだけでも、十分すぎるほど立派です。

小さな一歩が、「自分にもまだできることがある」と思わせてくれるかもしれません。
そのとき、心がふっと軽くなる瞬間があるかもしれません。

どうにもならない未来にとらわれるより、
「今このとき、自分は何ができるか」に気持ちを向けてみる。

死が近いかどうかにかかわらず。
大切な人がもういないかどうかにかかわらず。
人との関係に悩んでいるかどうかにかかわらず。
私たちにできることは、みんな同じです。

「今できることをやる」
それだけなんです。

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